遺言と聞くと多くの人は、「死期を悟った人間が最後に残す言葉」をイメージするかと思います。確かに、このような口頭での遺言も遺言には違いありません。しかし、故人の遺志に法的な意義を与えるためには、厳格な法定の要件を満たす必要があります。その要件を満たした書面が遺言書です。
遺産の相続を円滑に行い、相続人間のトラブルを回避するうえで、遺言書は重要な役割を果たしてくれます。遺言書の内容は、民法上の相続の規定に原則として優先します(ただし例外として遺留分という制限があります)。遺言書は通常、
の3つの形態のいずれかで作成されます。
遺言書では、記入されている日付が特に重要になります。内容の異なる遺言書が何通も出てきたときは、日付の一番新しい遺言書が有効となるからです。このことは、一度遺言書を作成しても新しい遺言書を作成して以前の遺言の内容を変更できることを意味します。
なお、遺言書は15才以上になれば原則として誰でも作成することができます。